七つの花を枕の下へ。スウェーデンの夏至の夜に見る恋の夢

明るい夏の夜を望む寝室で、枕の下に野の花を置いた情景 恋とご縁
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夏至に近い夜、野の花を摘んで枕の下へ入れる。スウェーデンの夏至祭に伝わる、恋占いの一つです。眠りの中に将来の結婚相手が現れると言われ、摘む花は七種類、あるいは九種類と、伝わり方に違いがあります。

花を集める間は黙っている。そんな条件までつくと、ただの花摘みが少し秘密めいてきます。陽が長く、夜になっても空が明るい北国の夏。みんなで踊る祭りのにぎやかさから離れて、一人で草むらの花を選ぶ時間があるのです。

夏至の祭りでは、葉で飾った柱のまわりを踊り、花の冠を編みます。スカンセン野外博物館によれば、昔の農村では農作業の節目でもあり、この夜には特別な力があると考えられていました。昼の花はみんなで飾り、夜の花は一人で枕の下へ。祭りの中に、二つの使い方が残っています。

花を摘む間は、ひと言も話さない

スカンセンの説明によれば、黙って摘むのは、花摘みの魔法を解かないため。ヴェルムランド地方の観光案内には、摘む花と同じ数の垣根を越えるという伝えもあります。花を数え、境目をまたぎ、それでも声は出さない。枕の下へたどり着くまでに、花束にはいくつもの小さな約束が加わるのです。

スウェーデンの夏の野原に咲く花々を写した実際の風景
スウェーデンの夏の花畑。恋占いの花摘みそのものを撮影した写真ではない。 写真:Maria Eklind / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0。表示用に縮小)

花を集めているあいだは、まだ誰の夢を見るのか分からない。草むらで一つ選び、別の場所でもう一つ選ぶ。七つか九つがそろったら、今度は眠りの中で出会いを待つ。占うための準備にも、小さな冒険があるのです。

結果より、夜の手ざわり

何の夢を見たかより、花を選ぶために立ち止まった草の匂いのほうが残ることもありそうです。昼の祭りが終わったあと、恋のことを考えながら眠る。その夜にだけ、小さな花束が必要でした。

この話の参考資料

冒頭画像は題材から着想したイメージです。本文の実物写真の出典は画像の下に記しました。