目を閉じて、「どうしたらいい?」と尋ねる。しばらく待つ。でも、返事らしいものは何も来ない。ハイヤーセルフとつながる、という言葉から想像したほど、内側はにぎやかではなかった。
そこで、つながる力が足りないのだろうか、と考える前に、一度だけ問い直してみたいことがあります。自分は、どんな形の返事を待っていたのでしょう。誰かの声なのか、鮮やかな映像なのか、迷いを一瞬で消してくれる正解なのか。
そもそも、「高い自分」とは誰なのか
ハイヤーセルフは、現代のスピリチュアルでは、より深い自己や高次の意識を指して使われます。ただ、その説明は一つに定まっていません。背景をたどると、神智学にも、この語の扱いをめぐる細かな区別があります。
ブラヴァツキーの『The Key to Theosophy』は、Higher SelfとHigher Egoを区別し、前者を個人的な性格の延長には置いていません。誰のものにも限定されない光にたとえる説明もあります。
この見方に触れると、いつもの自分が、少し賢くなって別室から答えてくれる、という想像だけでは足りなくなります。考えを増やすより、普段の自分が握りしめている見方から、少し離れることに近いのかもしれません。
返事の前に、問いの形を変えてみる
「あの人は私をどう思っている?」「これを選べば絶対にうまくいく?」。未来や他人の心を確定してほしい問いは、答えを待つほど、もっと強い確証が欲しくなりがちです。
少し形を変えて、「私はこの関係の何を大切にしたい?」「結果をまだ知らないままでも、選んでおきたいことは?」と置いてみる。他人の内側を探る問いから、自分が引き受けられる問いへ戻します。
すぐに結論が浮かばなくても、「本当は断りたかった」「急いで決めたくなかった」という短い感覚が残ることがあります。大きなメッセージより、小さくても具体的な言葉を拾ってみます。
紙に、二つの自分の場所を作る
ここでは、ハイヤーセルフという発想を入口に、自分の内面へ問いかける筆記を試します。古くから一律に定められた儀式ではなく、静かに考えるための一例です。
- 紙の上半分に「今の私から」と書き、聞きたいことを一つだけ、短く置く。
- 下半分に「少し広いところから見たら」と書く。すべてを知る存在を演じず、目の前の焦りから少し距離を取ってみる。
- 浮かんだ言葉を数行書く。何も出なければ、その日は空白のまま閉じる。
- あとで読み返し、その言葉を採用するかどうかは自分で決める。
たとえば、「今すぐ返事をくれない相手が気になる」に対して、「返事がないとき、自分の一日を全部預けている」と書いたとする。これは架空の筆記例ですが、相手の本心を当てなくても、自分の中で起きていることには触れられます。
静かな答えを、絶対の命令にしない
印象に残る言葉が書けると、特別なところから届いたものとして、すべて従いたくなるかもしれません。それでも、書いた言葉は読み直せます。違うと思えば直せるし、保留にもできる。その余地は残しておきたいところです。
ハイヤーセルフに問いかける時間が、自分で決める力を誰かに渡す時間になってしまっては、少しさみしい。内側から聞こえた気がする言葉も、一度、自分の暮らしの中に置いてみるのです。
今夜、返事が来なくても、問いは残せます。昨日までとは違う問いを持って眠る。その小さな変化から始まる内面の旅もあります。
この話の参考資料
掲載画像は、物語や思想から着想したイメージです。


