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家の床を直していたら、釘の入った古い瓶が出てきた。うっかり落としたごみではないかもしれない。かつてイングランドには、災いから身を守るために、瓶を使うまじないがあった。「ウィッチ・ボトル」と呼ばれるものだ。
イングリッシュ・ヘリテージの解説によれば、こうした瓶は十七世紀後半以降に使われ、針や釘、棘などが入れられることもあった。中身を温めたり埋めたりして、害を及ぼすと疑われた相手に苦痛を返すと信じたという。守りたい気持ちと、相手を恐れる気持ちが一緒に詰め込まれた、少し不穏な道具だ。
残っている瓶には、怒ったような男の顔が浮き彫りになった陶器もある。外側はただの容器に見えても、中には針や釘、時には液体まで入れられた。当時の人が何を恐れたのかは瓶ごとに違うだろう。それでも、恐れを具体的な物に移し、閉じ込めようとした手つきは共通している。
見せるための魔除けではない
玄関に飾るお守りなら、来客にも見える。だが瓶は、後から見つかるまで隠されていた例がある。家を守るつもりで、暮らす人の目からも遠ざけた。持ち主がいなくなったあと、工事や発掘で出てくるのはそのためだ。
写真は、実際に残った瓶と、その中から見つかったもの。容器と金属片が並ぶ姿を見ると、災いを防ぐために、身近な物を集めて瓶に詰めた人の手元まで想像したくなる。

瓶に閉じ込めたかったもの
見えない災いを相手に、手元の釘や棘を使って対処しようとした。その試みが、瓶の中に残っている。
イングリッシュ・ヘリテージによれば、発見例はイングランド東部や南東部などを中心に百件を超える。家の壁や床の奥に隠されていたものが、長い年月のあとで姿を現す。誰にも見せるつもりがなかったからこそ、恐れと祈りがそのまま残ったのかもしれない。


