火山が残した金色の髪。ハワイに降る「ペレの髪」の正体

ハワイの溶岩原に散る金色の火山ガラスと遠くの噴火を描いた情景 世界の不思議
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火山のそばに、金色の細い髪が散っている。ハワイのキラウエア火山では、そんな不思議なものが見つかります。「ペレの髪」と呼ばれる、火山ガラスの細い糸です。

名はハワイの火山の女神ペレにちなみます。けれど、人の髪でも植物の繊維でもありません。熱い溶岩のしぶきが風に引き伸ばされ、冷えて固まると、光を受ける細いガラスになるのです。物語の名と、火山が実際に作った形が重なっています。

米国立公園局の説明では、溶岩の表面近くでガスの泡がはじけるときにも、薄い溶岩が長く引き伸ばされます。見た目は柔らかな髪でも、正体はガラス。風に乗るほど軽く、火口から離れたくぼ地に集まって、金色のじゅうたんのようになることもあります。

火から生まれた、壊れやすい糸

写真には、実物の「ペレの髪」が束になった姿が写っています。細い糸が何本も絡み合っていますが、正体はガラスで、先端は鋭い。現地では拾い集めたり素手で触れたりせず、案内に従って眺めるものです。

ハワイの火山で実際に見つかった細い火山ガラス、ペレの髪
ハワイの火山で見つかった「ペレの髪」の実物。 写真:James St. John / Wikimedia Commons(CC BY 4.0。表示用に縮小)

遠くに赤い溶岩、手前に金色の糸。冒頭の絵はその対比を描いたイメージです。実際の糸がどんなふうに落ちているかは、写真で見られます。強い火が、こんなに細く静かなものを残すとは意外です。

さらに意外なのは、鳥がこの糸を巣材に使うこと。公園の博物館には「ペレの髪」を編み込んだ鳥の巣が保存されています。噴火が生んだガラスの糸が、森の暮らしの中にまで入り込んでいるのです。

女神の名を呼びたくなる理由

自然現象を知ると伝承の魅力が減るかというと、そうでもありません。溶けた岩が空中で伸び、光る糸になって地上へ戻る。その過程を知ったうえでも、地面に散る金色を見れば、誰かの髪と呼びたくなる気持ちがわかります。

この話の参考資料

冒頭画像は題材から着想したイメージです。本文の実物写真の出典は画像の下に記しました。