星のないところに、巨大な鳥がいる。天の川に隠れたエミュー

南半球の天の川の暗い帯にエミューの姿を見いだす夜空の情景 星・運命・魂
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天の川を見上げて、星の並びではなく、星が見えない黒い部分を探す。そこに巨大なエミューという鳥の姿を見いだす人々がいます。オーストラリアの先住民の天文知識に伝わる「空のエミュー」です。

地上のエミューは飛べません。けれど夜空のものは、天の川の暗い帯の中を長く伸びている。明るい星を線で結ぶ星座とは、見つけ方が逆です。黒い部分は何もない穴ではなく、宇宙のちりが奥の星の光を遮ってできています。

暗いところに、鳥がいた

オーストラリア宇宙庁の記事では、ウィラジュリの伝統にある暗いエミューが紹介されています。夜空での位置は、地上でエミューの卵を探す時期を知る手がかりにもなるそうです。ただの空想画ではなく、季節を読む目でもあったのです。

天の川の暗い部分にエミューの形を見いだした実際の夜空の写真
天の川の暗がりに見いだされたエミューと、手前の岩に刻まれたエミュー。 写真:Barnaby Norris / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0。表示用に縮小)

写真の下半分には、岩に刻まれたエミューも写っています。ヨーロッパ南天天文台(ESO)の解説によると、場所はシドニー近郊のクーリンガイ・チェイス国立公園。空の暗がりと、足元の岩の線。一枚の写真の中で、二つの鳥を見比べられます。空のエミューは各地の先住民文化で語られますが、その名や意味は土地ごとに異なります。

見えていなかったものを見る

星を数えるのをやめると、星の間の闇に形が立ち上がる。明るいものだけを探していた目には、なかなか気づけません。次に天の川の写真を見るときは、黒いところを追ってみたい。空の見方が、ひっくり返ります。

この話の参考資料

冒頭画像は題材から着想したイメージです。本文の実物写真の出典は画像の下に記しました。