あらゆる音楽のピッチをテンポを変えずに 440Hz から 432Hz へと変換する方法
細野晴臣さんの曲を 440Hz から 432 Hz に変換したもの
・最初の数秒だけ比較のため 440Hz を入れています。
440Hzより432Hzの方がいいというのでしたら、そうしましょう
2週間ほど前の記事、
・この世の存在は「音そのもの」であるかもしれないことに確信を持てそうな春の夜(2) : シュタイナーが警告した「432Hzではない基本音調の世界は悪魔を勝利に導く」 を体感してみました
2015年03月28日
では、現在の社会のほぼ全体で使われている基本的な音のチューニングに用いられる 440Hz の倍数というのは、人間にとって、あまりいい音ではなく、人間は 432Hz の調律の音楽を聴いたほうが良いという主張などについて記しました。
シュタイナーをして、
「音楽において、 A=432Hz 以外を使うことは、悪魔の貪欲なパワーを西側にもたらす可能性がある」
と言わせしめるほどのもののようなのですが、上の細野晴臣さんの曲の最初の部分の比較などでも、おわかりかと思いますが、440Hz と 432Hz を聴き比べますと、少なくとも私に関しては 432Hz で、体の緊張が解ける感覚をかなり明確に体感いたしました。
そこから、
440Hz の調律は、「緊張、興奮、闘争心、などをもたらす傾向を持つ」
ことが予測され、
432Hz の調律は「安定、安寧、脱力をもたらす傾向がある」
のではないかと思います。
でまあ、そういうことではあっても、現実問題としては、今の社会では、ライアーという楽器以外では、432Hz の調律で演奏される楽器や、あるいは、音楽というものとはなかなか出会うことはありません。
そこで、今回は、パソコンを使って、「 440Hz の曲を 432Hz へと変換する方法」を記したいと思います。
ところで、ちょっと話がそれますが、今回のことで、いろいろな曲のピッチを調べていましたら、「素で 432Hz の音楽」と出会いました。私の iTunes の中に何年も前からある曲のひとつです。
偶然「もともとが432Hzの実験音楽」を見つけて
それは、ユーゴスラビア(現在のスロベニア)の実験電子音楽のユニットで、30年以上の音楽活動歴を持つライバッハというグループで、私は 30年くらい前から好きだったんですが、彼らの比較的最近のアルバムの中に好きな曲が何曲かあり、それを 432Hz に変換しようとしましたら、「すでに 432Hz 」だったんです。
つまり、ライバッハは、少なくとも、その曲に限っては「意図的に、現代の基本の音である 440Hz を無視し、432Hz のピッチで曲を作った」ようです。
「どうしてかな」
と思っていたのですが、その曲名は「 Contrapunctus 3 」というものです。
これは単語の意味もわからず、読むこともできません。
今まで調べたことなどなかったのですが、 432Hz の電子音楽というのも尋常ではない気がしましたので、調べてみますと、この Contrapunctus 3 というのは 18世紀の音楽家バッハが 1740年代に作曲した「フーガの技法」という十数曲からなる一連の曲の3番目にあたる「フーガの技3」という曲だったでした。

・ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685年 - 1750年)
つまり、私が知らなかっただけで、ライバッハは、バッハのカバーをしていたのでした。
ちなみに、ライバッハというバンド名にも「バッハ」という言葉が入ってますが、全然関係はなく、ライバッハというのは、スロベニアの首都のドイツ語名です。
おそらくですが、バッハの時代のピッチは 432Hz だったのかもしれません。
そこを忠実に再現してみたということのように思います。
ライバッハ自体は海外、特に東欧では大変に有名なユニットですが、ただ、普通では、この「ライバッハの演奏によるフーガの技3」を聴くことは難しいと思われます。探してみましたら、YouTube にアップされていましたので、本記事の後に貼っておきます。
話が横に逸れてしまいましたが、今回は、お持ちの音楽を 440Hz から 432Hz に変換する方法をご紹介します。
どんな素敵なリラクゼーション音楽であっても、基本ピッチが 440Hz である限りは、それは完全な意味でのリラックスのための音楽ではないということになるとも考えられ、よくお聴きになる曲を「 432Hz に変換して聴く」ということは、悪いことではないように思います。
変換には Audacity (オーダシティ)というパソコンのフリー(無料)ソフトを使います。
14年の歴史を持つ定番の音楽ソフトです。
このソフトは Windows 、 Mac 、Linux に対応していて、操作方法もすべての OS で同じですので、その方法を記します。ここでは、Windows と Mac について記します。
オーダシティをインストールする
インストール後の操作は Windows も Mac も同じですが、インストールは Windows と Mac でやや違います。難しいものではないですが、あまりソフトやアプリケーションをご自分でインストールされたことのない方のために、インストールの方法から書いていきます。
インストールに問題のない方は、その下の具体的な変換の方法からお読み下されば幸いです。
Windows をお使いの場合
オーダシティのウェブサイトに行きます。左上に下のロゴがあるページです。ご自分の OS に合ったページが表示されます。
そのページの下で赤線で囲んだ「 Windows向け 8/7/Vista/XP」の文字列をクリックします。

下の表示が出ましたら、「ファイルを保存」をクリックします。

ダウンロードされたファイルは、どれでもいいので、フォルダなどを開いた際に、左側に表示される「ダウンロード」というところをクリックすると、そのダウンロードフォルダの中に「 audacity-win-数字.exe」と表示されているはずです。

細かい名称は違っても、「 audacity-win… 」で始まるファイル名ならOKです。
この audacity-win をダブルクリックするなどして開きます。
ここで、下のように「発行元を確認できませんでした。このソフトウェアを実行しますか」という表示が出る場合があります。

ここで「実行」を押します。
その後、
「セットアップに使用する言語の選択」
「 Audacity セットアップウィザードの開始」
「インストール準備完了」
など、いろいろな表示が出ますが、基本的には、ウインドウ下の「 OK 」と「次へ(N)>」、そして、「インストール」をクリックしていれば、インストールは完了します。



デスクトップ上に、下のアイコンが出ていれば、インストールは完了です。
このアイコンをクリックすれば、オーダシティが起動します。

Mac をお使いの場合
Mac の場合、インストールは極めて簡単です。
オーダシティのウェブサイトに行きます。下のようなページが表示されます。
そのページの下で赤線で囲んだ「 Mac向け OS X 10.4 to 10.10.x 」の文字列をクリックします。

ウインドウ表示が出ましたら、「ファイルを保存」をクリックします。
ダウンロード・フォルダに下のように、「 audacity-macosx-ub-数字 」で始まるファイルがダウンロードされます。

このファイルをクリックすると、下のウインドウが自動で開きます。

このウインドウ上で Audacity を Application フォルダにドラッグすれば、インストール完了です。
Application フォルダとは「アプリケーション・フォルダ」のことで、その中にインストールされています。

その中のオーダシティのアイコンをダブルクリックすれば、オーダシティが起動します。
ちなみに、オーダシティは大丈夫だと思いますが、最近の Mac OS X は、App Store 以外からダウンロードしたソフトを起動させようとすると、
「”ソフト名”は、開発元が未確認のため開けません」
という表示が出て、起動させることができないことがあります。
そのような表示が出た場合は、
・App Store 以外からダウンロードしたアプリケーションが実行できない場合の対処と設定
というページをご参照下さい。
これで、インストールは終わりです。
ここから実際の作業です。
オーダシティを使って、440Hz の曲を 432Hz にの変換する
準備は、「432Hz に変換したい音楽ファイル( MP3 など)を、パソコン上の自分でわかる場所に配置しておく」ことです。
iTunes などからデスクトップにドラッグ&ドロップしたりして置いておいてもいいかと思います。
ここでは Mac での作業のスクリーンショットですが、Windows でも同じです。
1. 曲の読み込み
オーダシティを起動させると、下のような画面が表示されます。

ファイル > 開く を選択します。

「1つもしくは複数の音楽ファイルを選択してください」というウインドウが表示されますので、そこから変換したい曲を選択します。

ここでは、冒頭に貼りました、細野晴臣さんの 1985年の曲 Normandia を 432Hz に変換していきますので、上の場合、Normandia.mp3 を選択します。
曲がオーダシティに読み込まれると、下のように曲の波形が表示されます。

2. 曲のピッチを変更する
曲の波形が表示されている状態で「編集 > 選択」を選び、その横にある「すべて」を選択します。これは、曲全体のピッチを変更するという意味です。

メニューの「エフェクト」から「ピッチの変更」を選択します。

「ピッチの変更」のウインドウが下のように表示されます。

これは曲によって様々に表示されます。
赤で囲んだ部分を変更していきます。
このパネルに「テンポを変えずにピッチの変更」とありますように、 440Hz から 432Hz に変更した場合でも、ピッチが変わる(ほんの少しだけ低くなる)だけで、テンポはオリジナルのままです。
上の赤で囲んだ部分を以下のように変更します。
・上部タブを、どちらも「A 」に変更
・「周波数」の部分を、左に「 440 」、右に「 432 」と数字を書き入れる(必ず「半角数字」で)
・変更率が -1.818 になっていることを確認

上と同じようになりましたら、右下の「 OK 」をクリックします。
3. 曲を書き出す
ファイル > オーディオの書き出し を選択します。

ここで「保存」ウインドウが表示されますが、Format というタブから、音楽ファイルの形式を選択します。
この一覧には MP3 もあるのですが、オーダシティのみでは MP3 への変換はできませんので、ここでは、
・Windows の方は WAV という形式で
・Mac の方は AIFF という形式で
で、それぞれ保存します。
Windows

Mac

この Wav や AIFF は、 iTunes を使って MP3 に変換できます。
このように選んだ後、「保存」をクリックします。
保存の際に「メタデータを編集」というウインドウが表示されますが、何もしないで、右下の「OK」をクリックします。
これで作業は終了です。
かなり長くなりましたので、大変そうに見えるかもしれないですが、実際には作業は非常に簡単です。慣れれば、ひとつの曲を変換するのに、1分もかからないと思います。
これで、その保存された音楽ファイルをダブルクリックなどすれば、「 432Hz に生まれかわった音楽」として楽しむことができます。元の 440Hz のものと聞き比べて見るなどもいいかもしれません。
この音楽ファイルを MP3 にする場合、iTunes で簡単におこなうことができます。
Windows の方は、
・簡単!iTunesでWAVをMP3に変換する方法
Mac の方は、
・MP3 以外の音源を Mac の iTunes で MP3 に変換して取得する方法
などのサイトをご参照いただければよろしいかと思います。
締めとしては、記事の途中でふれましたスロベニアのライバッハの演奏による 432Hz ピッチの「フーガの技法 3」です。
Laibach - Contrapunctus 3 ( 428Hz )
ところで、私自身も少しずつ好きな曲を変換しています。気に入ったのがありましたら、クレアにアップしたりしようと思っています。 不思議グッズはこちら